電圧検知リレー

電子工作


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背景
車に搭載されているバッテリーは、運転状況によってバッテリーのプラスとマイナス間の電圧は変化します。一般に走行中はオルタネータからの充電電流があり、電圧は14.0V以上になり、停止時はそれより低くなります。また、何日も車を運転せずに放置されたバッテリーや、劣化したバッテリーは端子電圧が12V以下になってしまいます。
バッテリーの端子電圧を約10Vから15Vの範囲で監視して、設定電圧より高くなったり、低くなった場合にリレーを励磁して外部出力する基板を製作しました。
この基板によって、車に積んでいる予備バッテリーの充電回路をメインバッテリーの電圧が高いときだけ動作させたり、メインバッテリの電圧が低下したときに警報信号を出そうと考えています。

車に積んでいる予備バッテリー(サブバッテリー)はキャンピングカーのように重負荷用の電源ではなく、たまに運用するアマチュア無線用の電源として使うものです。メインバッテリーの電圧が高いときだけ、抵抗を介してサブバッテリーを走行充電しようとしています。サブバッテリーの使用頻度があまりないので抵抗を介してバッテリー間を接続してゆっくりと充電します。

ノアのシガーライタ部分に電圧計を接続して走行中の電圧を測定したところ、エンジン停止時12.5V、走行中13.1−14.0V、走行直後の停止時で13.1V位でした。 

回路図

PIC12F675を使いました。
監視用の電圧は温度特性のよい5V近辺のツェナダイオードを2ケ直列にしてからPICのアナログポート(GP4)に入力しています。
これにより、監視用電圧は約10V以上の電圧が監視対象にまります。(監視電圧=入力電圧 − 10.2V)
設定電圧は、VRにより、アナログ電圧として設定します。(GP0) 電圧は0−5Vでこの電圧とGP4の電圧を比較してリレーを動作させます。
リレーは2つあり、1つは監視電圧が、設定値より高くなったとき、もうひとつは監視電圧が設定値より低くなったときに動作させます。監視電圧と設定値との比較する部分では不感帯を設けているので必ずしもどちらかのリレーが励磁されているわけではありません。(どちらのリレーも励磁されていないときもあります)
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基板
出来上がった基板です。入出力には端子台を使用しています。
左上の端子台は電源と監視電圧入力用、右上の端子台は監視電圧が高くなったときに動作するリレーの接点、右下の端子台は監視電圧が低くなったときに動作するリレーの接点になっています。使用するリレーの接点容量は1Aです。容量の大きな負荷をON/OFFする場合は外付けのリレーを追加して使います。

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動作(フローチャート)
プログラム上では、メインルーチンとタイマー割り込みの2つの部分から成ります。
メインルーチンでは、初期化後1秒待ってループ処理にはいります。ループ処理では、監視電圧とリレー動作閾値と比較して各リレーのON/OFFを行います。
監視電圧とリレー動作閾値は、グローバル変数に保持されていてその値はタイマー割り込みルーチンから一定間隔で更新されます。
タイマー割り込みルーチンでは、電圧設定値と監視電圧をAIとして読み込みます。リレー動作閾値は以下のように算出します。
監視電圧が高いときに動作するリレー(高リレー)の閾値 = 電圧設定値(基板上のVR) + 約0.3V
監視電圧が低いときに動作するリレー(低リレー)の閾値 = 電圧設定値(基板上のVR) − 約0.3V

したがって、
監視電圧が電圧設定値(VR)より0.4V高いと高リレーは励磁、低リレーは非励磁
監視電圧が電圧設定値(VR)より0.4V低いと高リレーは非励磁、低リレーは励磁
監視電圧が電圧設定値付近(±0.3V以内)のときは、高リレーは非励磁、低リレーは非励磁(両リレー共非励磁)
になります。

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低リレー、高リレーには動作がわかるように動作表示用のLEDを設けています。(リレー励磁時にLED点灯)
また、設定電圧確認用LEDは設定電圧と監視電圧が近い(±約50mV)ときに点滅し、それ以外のときは消灯しています。このLEDの点滅によって初期の電圧設定値を設定します。

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監視電圧の変化に対して、タイミングチャートとしては以下のようになります。

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配線図
基板の配線は以下の通りです。
基板への電源電圧を監視する場合は、監視電圧入力に電源(+)を接続します。
出力用のリレーはC接点が1つの構成ですが、便宜上COM、A接点、B接点と表現してます。メカニカルリレーなので接点に極性はありません。
注1)監視電圧(バッテリーの電圧)が15VのときにPICのAIでの電圧は約4.8Vになります。PICの電源電圧5.0V以上はうまくAD変換ができないので、監視電圧のMAXは15Vです。(MINは11V)
注2)基板の電源と監視電圧を共用している場合は、電源OFFのときに一瞬低リレーが励磁されます。電源ON時には1秒の待ち時間をいれてあるので低リレーは励磁されません。

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使い方
電圧が可変できる直流安定化電源を用意して、監視電圧端子にたとえば13Vを入力します。
次に、設定電圧調整用VRを回転させて、設定電圧確認用LEDが点滅するポイントを見つけます。
これで、設定電圧は13V、高リレー動作電圧は13.3V、低リレー動作電圧は12.7Vになります。
自分の車のバッテリー電圧を測定した限りでは、バッテリー電圧は12.5V−14.0Vの範囲内で収まっていたので、設定電圧は13Vから14Vくらいが適当ではないでしょうか?

応用例
AudioQのDC−DCコンバータ(昇圧型)をサブバッテリー充電用に使います。
http://www.audio-q.com/power.htm
これは、LM2587を使ったDC−DCコンバータで1Aの電流を取り出せます。
電圧検知リレーでこのコンバータ基板をON/OFFしメインバッテリーの電圧が高いときだけ充電します。
DC−DCコンバータ基板に逆流防止用のダイオードを付加し、出力電圧が13.5Vになるように調整します。ダイオードだけのアイソレータだと満充電できませんが、昇圧することによって100%充電が可能になります。
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電圧検知リレー2も製作しました

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